コラム

心理カウンセラーが「娘の友達2巻」をレビュー・心理分析してみた。

心理カウンセラーが「娘の友達2巻」をレビュー・心理分析してみた。

今回もまた、心理カウンセラーが「娘の友達 第2巻」のレビューをしつつ、心理分析をしてみたいと思います。

 

萩原あさ美 (著)

 

「娘の友達 第2巻」のあらすじ

 

まず、第2巻の内容紹介(裏表紙より)を紹介していきます。

 

抜け出せるだろうか。抜け出すべきなのだろうか。娘の友達という名の沼から。会社をさぼった。夕飯までに帰るという娘との約束も破った。漫画喫茶で朝を迎えた。隣にいるのは、娘の友達だった。誰にも言えない秘密の関係は、"心に忠実に生きる"ことの大切さを教えてくれた。不登校を続ける娘とも本音で向き合えるようになった。けれど、いつか娘が復学したら、"彼女"との関係を隠し通せるだろうか。そして、もしも娘が秘密を知ってしまったら、人生はどうなってしまうのだろうか。

 

前回の大まかなストーリーの振り返り

 

家庭では父親として、会社では係長として、理想的な自分を演じようと生きてきた主人公の晃介は、娘の友達である古都との出会いにより、人生が180度変化をしていきます。古都の「晃介さんが今一番やりたいことはなんですか?」という一言をきっかけに、会社を抜け出して、気がつけば新青森行きの新幹線へ。けれども、古都の誘いを押し切って、途中下車。漫画喫茶で朝を迎えた後という展開から第2巻へ。

 

心理カウンセラーが「娘の友達 1巻」をレビュー・心理分析してみた

 

娘の友達第2巻のストーリー

 

では、この後の展開ですが、娘の美也からの着信を無視し、漫画喫茶のなかで抱き合う古都と晃介。翌朝、家に帰ると、美也ちゃんが部屋を散らかし、「お父さんは結局、家族より仕事の方が大事なんでしょ」という一言。

その一言に、「俺が今一番やりたいことは、美也と一緒に幸せになることだ」と、初めて本音を伝える。

この辺りから、晃介は、美也ちゃんとの関係だけでなく、会社との関係においても、自分の気持ちを伝えられるようになっていきます。

その一方で、古都のほうは、家に帰った瞬間、母親に打たれ、土下座をさせられる始末。そのあと、お風呂場の写真を晃介に送ったり、水族館に晃介を誘います。ただ、その水族館に古都の母が。「家に帰りたくない」という古都の一言で、ラブホへと急展開。様子がおかしいと勘付いた美也ちゃんが古都に、「うちのお父さんと何かあったりしないよね?」というセリフで、第2巻が終わります。

 



 

娘の友達第2巻の心理分析をしてみた。

 

今回の大まかな登場人物は、主人公の晃介、古都、娘の美也ちゃん。それぞれについて、分析をしていきたいと思います。

 

自分の欲求に従うだけで、生きづらさが解消!? 主人公、晃介の心理分析!!

晃介は、自分の心を抑え付けて、周りの評価を気にしながら、ずっと過ごしてきたけれど、古都との出会いから、抑えてきた感情が徐々に表面化をしてきているのを感じます。

 

ずっと自分を抑えてきたから、第1巻で、思わず吐きそうになったりした後から、会社をサボり社会とのレールを外れた瞬間、安らかな気分になったり。一度、自分の欲求に正直に従うだけで、心は楽になれるものですね。それに、一度くらい会社をサボっただけで、退職に追い込まれたりするわけでもなくて、噂話になるぐらい。

 

ただ、一度、人からの評価を気にせずに、はっちゃけてみると、一気に心の中に溜まっていた感情が浄化され(心理学で言う、カタルシス効果)、解放をされた晃介は、心のバランスを取り戻しつつあるようです。

 

その結果、娘の美也と本音で言い合えたり、会社をサボったことでも、しっかりと臆せずに気持ちを伝えれて、徐々に回復の方向へ。

 

ただ、回復の段階といいつつ、まだまだ古都を頼らなければ、自分らしくいられないので、この先、古都とともに、シャドー(影)の泥沼の恋愛に発展した挙句、破壊的な人生を辿るのか、それとも、古都との出会いをきっかけに、自分らしくいられて、お互いが高め合えるように成長できるのかが見所ですね。

 

母親への喪失感によるアイデンティティーの喪失!? 娘の美也ちゃんの心理分析!!

今回は、娘の美也ちゃんと晃介との仲が徐々に良くなり、不登校から、学校に通うまでに、回復しました。では、美也ちゃんの心理分析をする前に、今回の1番の見所は、こちらのセリフではないでしょうか。

お父さんは結局

家族より仕事の方が大事なんでしょ

お母さんが危篤状態にあるにも関わらず、仕事で、死に目に会えなかったことによる苛立ち。母親を亡くしたことで、この先誰にも愛されないのではないかという孤独や喪失感を、美也ちゃんから感じます。

でも、夕飯の約束を破らなかったことで、部屋中を荒らしたことはきっと、まだ、父親のことを信じているのではないか、と。

怒りを感じるのは、父親から愛されたいとか。認められたいという気持ちがあるからこそ、感じるものですから。

先ほどのセリフに、父親の晃介は

俺が今、一番やりたいことは

美也と一緒に幸せになることだ

という言葉で、少しずつ、美容院に行ったり、勉強を始めたりなど、喪失感を乗り越えようとして、学校に行けるまで、回復します。この年頃は、ちょうど思春期で、アイデンティティーが確立してないから、母親を亡くした喪失感はとても大きいものだと感じます。ただ、喪失感は、大好きで愛していたから、悲しみが募るのは自然なことだけれど、乗り越えるためには、周りからの愛情を感じたり、「自分は一人じゃない」と思えるのはとても大切なこと。孤独が一番人の心を支配し、苦しくさせてしまうものだから。

 



 

シャドーの恋は満たされない!?ヒロイン古都の心理分析

古都が晃介と漫画喫茶を夜ともにして、次の日に、家に帰ってくると、いきなり、母親にぶたれ、土下座をさせられる始末。ここで、古都の心理背景が見えてきましたね。そして、ぶたれた後に、可愛がっている犬におしっこをかけられてもなお、心が動かないという夢を見ます。

過干渉・過保護の親の支配により、アイデンティティー見失っている状況。ちょうど思春期の今、親に反抗をしたいいう気持ち、親に逆らえないという気持ちが葛藤しているのを感じます。

親の支配から逃れるために、晃介を振り回したい。心から愛されたくて、晃介に身体を全て捧げたいと思ってしまう。

ここでのポイントは、晃介は、父親として、係長として、理想的な自分を演じる一方で、生きづらさを感じていることと、古都の優等生を演じて、母親に認められたいという理想像と、親からの支配を逃れたいという、本音がいえないことで、悩んでいるという悩みの質が似ているからこそ、惹かれるというところです。

これを心理学ではシャドーの恋といいます。シャドーとは、満たされない気持ちや触れたくない気持ちの表れ。ただ、シャドーの恋を続ければ続けるほど、痛みを癒そうとするけれど、自分が満たされることはないので、どんどん傷つけあってしまいます。

自分の満たされない気持ちを晃介で、満たしたい。満たせるなら、身体まで捧げてもいいという孤独や寂しさを感じます。



 

「娘の友達 第2巻」の心理分析のまとめ

今回は、娘の友達 第2巻の心理分析をレビューしてきました。この後の、晃介と古都の展開が楽しみですね。

 

次回を楽しみにしています。

 

萩原あさ美 (著)

-コラム

Copyright© tama's counseling room , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.