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心理カウンセラーが「娘の友達 1巻」をレビュー・心理分析してみた

心理カウンセラーが「娘の友達 1巻」をレビュー・心理分析してみた

 

今回は、いま話題の「娘の友達」について、レビューをしつつ、心理分析をしていきたいと思います。

レビューをする前に、簡単にあらすじ、ストーリーをみていきましょう。

 

「娘の友達」のあらすじ | ストーリー

家庭では「父親」として、会社では「係長」として、「理想的な自分」を演じるように生きてきた主人公・晃介。だが、娘の友達である美少女・古都との出会いにより、彼の人生は180度変化する。社会的には「決して抱いてはいけない感情」に支配されながらも、古都の前では自己を開放でき、社会の中で疲弊した心は癒やされていく……。「社会」のために「自己」を殺す現代社会へ鋭く切り込む、背徳のサスペンスが幕を開ける。

 



娘の友達 1巻レビュー・心理分析

 

この物語の主人公である晃介は、家庭では父親として、会社では係長として、理想的な自分を演じるように生きています。

けれども、1年前に奥様を亡くし、娘の美也ちゃんが不登校になったり、会社でも、思い通りに行かなかったりなど、自分の理想を演じるために、自分を押し殺して、努力している姿は、ひしひしと生きづらさが伝わってきます。

防衛本能という心の仕組みがありますが、自分を守るために、それが働いて苦しくなる。自分の気持ちと向き合ってしまったら、今までの自分ではいられなくなるから。

主人公の晃介は、職場の人たちからは、飲みに誘われるけれど、仕事が忙しくて、誰にも頼れずにいる。そして、裏通り沿いの穴場スポットである「喫茶店」で仕事をしているときに、娘の美也ちゃんの友達のヒロインの古都に出会います。

晃介は、不登校のことで、呼び出されたものの、娘が先月から一度も来ていないことを初めて知るぐらい忙しかったり、プロジェクトも上手く進まなかったりと、生きづらさを抱えているところに、どんどんヒロインの古都に惹かれてしまいます。

なにもかもうまく行かなくて、心のモヤモヤをどう処理していけばいいかわからなかった時。古都の「いつでも相談してきて大丈夫」とのLINEで、会っちゃったりとか。

古都との出会いから、少しずつ自分と向き合っていくようになるけれど、ずっと抑えてきた気持ちは、とても深く心のなかに潜んでいます。だから心のやり場に困って、古都にすがるしかなかったのかも。

晃介が古都に相談をしているところ古都の「疲れませんか?」という一言。その一言に「そんなの考えたことがなかった」というのだから、相当、自分と向き合ってこなかったのだろうと感じます。

さて、そんな風に話が展開されるわけだけど、古都は、なぜ、晃介に惹かれるのかわからない人も多いのでは?

晃介を振り回すあたり、相当な小悪魔的存在ですよね。(笑)

私の推測として、古都もまた、不登校になっている美也ちゃんを見て、周りを気にせずに入られてうらやましいという発言とか。晃介のことを「かわいそうな顔を見ると放っておけない」と発言したように。古都もまた、お母さんが成績上位で、優等生でい続けなければいけないという役割のなかで生きていくことに生きづらさを感じているような気がします。

 

「晃介さんが今、一番やりたいことはなんですか?」

「え・・・?」

「係長でもなくお父さんでもなく、晃介さんが今、本当にやりたいことはなんですか?」

 

このセリフは、晃介ではじゃなくて、古都自身に問いかけているのかもしれませんね。つまり、晃介の生きづらさを古都が投影をしていて、晃介の生きづらさを癒やすことで、自分の満たされない気持ちを満たしたい。

それが晃介に惹かれる原因なのかも。

ただ、お互いがお互いのドロドロとしたシャドウの恋に惹かれると、泥沼の恋に発展し、破綻してしまうなんてことも。

さてここから、心理分析を交えると、主人公の晃介は、ユング心理学の言葉で表すと、「ペルソナ(社会性)」と「シャドウ(影)」のバランスが見失っていることで、生きづらさの原因になっていると感じます。

ペルソナとは「こうあらねばならない」という自分の理想や教師や医師などの役割など、社会性を表します

シャドウは、自分の触れたくない部分。自分のコンプレックスやドロドロした要素を表します。

どういうことかというと、私たちの心は、光と影があるように、嬉しいことも、辛いことも、ポジティブなことも、ネガティブなことも感じるのが人間というもの。

けれども、この主人公は、自分の気持ちを感じないように、抑えて、取引先や職場からの評価を得ようとしています。ただ、大量の仕事を自分ひとりで抱え、仕事をこなすために、職場の人たちからの飲みの誘いを断って、雰囲気を悪くしたり。取引先からのプロジェクトの無茶な要求に答えるために、部下に指示を出したりなど。

頑張っているんだけれど、誰からも評価されずに、自分の心のやり場がなくて、気持ちを押さえ込むしかない。とても辛くて、苦しい気持ちが伝わってきます。私たちの心は、自分の気持ちを表現しなねれば、どんどん溜まっていってしまうもの。嫌なものとか、抑えている気持ちは、吐き出さなければ、無くならないのです。

だからこそ、しっかりと気持ちを表現することが大切。それは、カラオケで思いっきり歌うこともひとつですし、いまの気持ちを紙に書くことや身近な人やカウンセラーに相談するのもひとつ。いま、こういう風に感じているんだな」と自分の心のなかにあるシャドウを受け止めるだけでも、気持ちが癒えるのです。

 

いずれにしても、続きの展開が楽しみです。

 

萩原あさ美 (著)



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